【忌中札】位置と期間はいつまで?最近は貼らない家が多のはなぜ?
忌中札(きちゅうふだ)は、人が亡くなった家の玄関に貼る紙です。(忌中紙という場合もあります)
昔はよく見かけましたが、現在では見かけることがほとんどなくなりました。地域によっては今も残っているところもあります。
貼る位置や、いつまでが期間など、忌中札について調べましたので、ご紹介します。
忌中とは?読み方
忌中の読み方は「きちゅう」です。忌中の「忌」は「いむ・いまわしい」という意味です。
昔、死は、けがれと考えられていました。
忌中とは、死のけがれ(穢)がほかの人にうつらないように、家にこもって外部と接することを避ける目的でした。それを知らすために、忌中札を掲げるようになりました。
今でも、忌引(きびき)として、学校や仕事を休むことが認められています。
今の時代では、死がけがれ(穢)というのは薄れてきて、忌中札の目的は、「お知らせ」的な情報伝達手段になっています。
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忌中(きちゅう)と喪中(もちゅう)の違い
「忌中」は四十九日、「喪中」は一年間が目安
どちらも「身内の死に際して身を慎む期間」をいいます。
喪中は亡くなった人を哀悼し、正月などのお祝い事を行ないません。
忌中札はなんのため
忌中札(きちゅうふだ)または、忌中紙と呼ばれます。身内が亡くなると玄関に貼られる忌中と書いた札です。
現代では、お知らせの目的が残っています。
「忌中」と書き入れ、周りを黒枠で囲みます。
長方形やひし形の忌中札が一般的です。
忌中札の画像と貼る位置
現代は、玄関や門扉に貼ります。黒の額縁に入れて掲げてあるのも見かけます。
忌中の期間はいつまで
「忌中」の期間は四十九日です。
亡くなって葬儀日程や場所が決まったら貼ります。
実際に貼っておく期間は
- 葬儀後にすぐ外す
- 四十九日まで貼っておく
それぞれです。
地域によっても違います。
仏教では、亡くなってから四十九日の間は、霊魂としてこの世にさまよっていて、審判を受け、四十九日に魂の行き先が決まり、極楽浄土へ成仏すると言われています。
四十九日がすぎると「忌明け」になります。
忌中払い(精進落し)
本来は、四十九日まで精進料理にしていた食事を、「忌明け」に元に戻し、肉や魚を口にすることを「精進落し」と呼んでいました。
現代の精進落しは、火葬場から戻り親族やお葬式に参列してくださった方へ酒食をふるまう宴席を、「精進落とし」と呼ぶのが一般的になっています。地域によっては火葬を待つ間に「精進落とし」の会食を行うところもあります。
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忌中札を貼らない家が増えてきた理由
近頃は、忌中札を貼ってある家を見なくなりました。子供の頃に見た忌中札を貼っている家は、どこか怖いイメージでした。非日常ですし、なんか恐怖のおまじないでもしているんじゃないか(意味を理解していなかったため)なんて勝手に思い込んでいました。
貼らなくなってきた理由はいくつかあります。(怖いからじゃないですよ!)
忌中を知らせる必要がなくなってきた
都市部のお付き合いが少ない地域では、身内の不幸を知らせる相手がいないのと、知らない人ばかりに知らせても意味がない事になってしまいます。
連絡手段の発達と手軽さ
近所や親戚と手軽に連絡ができるようになったので、忌中札を掲げて不幸を知らせる必要性が薄れました。
防犯の目的
忌中札を掲げている家を見るのは、善意の人ばかりではないということなんです。
昔は家でお通夜・お葬式を行っていたのでそれほど問題はありませんでした。ですが、現在では、お通夜・お葬式を家ではなく葬儀場で行います。
忌中札を掲げると、もうすぐ家が留守になります!って言っているようなものなんです。
数日間の旅行でも新聞を止めて、新聞受けにたまらないようにするなど、防犯を意識しなければならない世の中になってきました。
葬儀社も、そのあたりはわかっていて、「忌中札はどうしますか?」って聞いてきますし、「防犯を意識して掲げない家もあります」ってアドバイスしてくれたりします。
地域によっては、今でも掲げるのが当然というところもあります。忌中札を貼らないことで異端扱いされては困ります。地域の人に相談して実情に合わせて決めていくようにしましょう。
忌中にしてはいけないこと
神社へのお参り関係は控えるのがマナーとなっています。死をけがれ(穢)と考えるのは、神道や日本の風習です。
お寺関係の初詣や厄除は、忌中であってもだいじょうぶ。むしろ忌中のお寺へのお参りは良いこととされています。
一番悩めるのが、結婚式です。 3世代同居の家で、孫が挙式を予定していたら、祖父母が突然亡くなった。
こんなことが起こる可能性は、けっして低くないです。孫が結婚する年頃には、おじいちゃん・おばあちゃん世代は人生の終わりに近づいています。
現代でも、忌中の結婚式は一般的ではないですが、式場の都合や手配などのキャンセル料を考えると、急にとりやめにするのも無理があります。
両家で話し合って決めることになりますが、おじいちゃん・おばあちゃんだって、せっかくの結婚式を自分の死で延期やキャンセルにするのは希望してないはずです。
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