【花粉症の治療法】最新の舌下免疫療法とは?注射やレーザーとの違い
花粉症で悩まされて、とうとう最新の舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)で治療をはじめました。
毎年、スギ花粉の季節2月中旬~4月中旬の2ヶ月は恐怖でしたが、楽になってきました。
治療には3年かかり、現在、2年半経過(継続中)。
実際に、花粉症で舌下薬による免疫治療を受けている人は身近に少ないと思いますので、どんなものかご紹介します。
スギ花粉による花粉症で悩んでいる人におすすめです!
舌下免疫療法、薬注射やレーザーとの違い
舌下免疫療法:スギ花粉エキスを舌の裏側に滴下して体を慣らす治療法。
注射:2種類あります。
1、ステロイド(抗炎症薬)注射、毎年1回注射が必要ですが、2~3ヶ月効果が期待できます。副作用が心配される。
2、皮下免疫療法、スギ花粉エキスを体内に注射して体を慣らす治療法。
レーザー:レーザー照射で鼻炎を起こす粘膜を変性させます。効果は数ヶ月~数年間と比較的長期持続。ただし、鼻炎に効果があるが、目のかゆみには効かない。
舌下免疫療法による治療ってどんなもの
舌下免疫療法を簡単に言うと、「毎日花粉エキスを入れて体をならす」っていうことです。
花粉エキスを、舌(した)の下に数滴たらします。それで舌下(ぜっか)っていうんですね。
毎日1回、3年間継続します。根気がかなーり必要ですが、花粉症の恐怖を考えれば、継続も苦にならないです。むしろ、これで治すんだーっていう意気込みしか無いです。
花粉エキスである舌下薬は、病院で処方してもらいます。市販はしていません。実際のお薬は、鳥居薬品(株)が発売している「シダトレン」という製品です。
[トリーさん] で検索すると免疫療法の専門サイトにいけます。
治療と言っても、痛くも痒くもありません。「毎日スギ花粉エキスを2分間お口の中にキープして、あとはごっくん」これだけで花粉症が軽減していくんです。
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治療に3年間も?なぜ、舌下免疫療法を選んだ?
ある年の12月、別件で病院に行き、精算待ちしていて、ふと目にした舌下療法の張り紙。あれ、こんな近くの病院で舌下療法やってるんだ!(総合病院なので規模は大きい)
「案内係が説明します」と書いてあった。以前テレビで舌の下に花粉エキスををいれて治療する方法があるということを見て、なんとなく知っていたが、ほんとに~って思っていました。
ついでだから、話だけ聞いてみよう・・・って問い合わせたら、案内係がたまたまいないということで、先生が説明してくれて、治療を受けることになった。
説明聞いてびっくり、「3年ぐらいかかります」
聞いた瞬間、正直心のなかで、「もう帰りたい!、1年だって無理なのに3年ってありえない」
いや~、案内係さんの説明で良かったのに!先生が説明してくれたんじゃ、なんとなく断りづらい感じも。
その言葉に、グラっときて。
ほんとうに治っちゃうのか?
やってみよっか!
よろしくお願いします!って言ってました。
舌下免疫療法で治療できるのはスギ花粉症だけ?
実は、花粉症は、いろんな花粉症があり、舌下免疫療法で治療できるのはスギ花粉によるものだけなんです。
ですので、もしもヒノキやイネ科の花粉症だったら、やっても無駄になってしまします。
ここが重要で、スギ花粉症かどうか、確かめてから治療するかどうか決めます。
アレルギーを判別する血液検査をすると、一発で分ります。私の結果は、見事に、スギ花粉のアレルギーの棒グラフがビョーンて突出してました。
もしも、スギ花粉とイネ科花粉のアレルギーの棒グラフが出ていたら、舌下免疫療法をやっても、無駄にはなりませんが、スギ花粉症しか効果がありません。
ある意味ラッキー、スギ花粉オンリーでしたので、治療開始。
この血液検査は、治療前に必須です。
舌下免疫療法の治療、効果は?
現在、治療を始めてから2年半経過(継続中)。
例年スギ花粉は、2月中旬~4月中旬の2ヶ月です。
スタートが12月からでしたので、それからスギ花粉シーズンを3回経験しています。
最初のシーズン:
始めてから2ヶ月後に花粉飛散が始まりましたが、例年と違い、かなり花粉症の症状が軽減しました。私が一番良かったと思ったのは、目の痒さが軽減したことです。
例年ですと、マスク必須、目がかゆくて花粉症に効くという目薬を一日中使い、鼻もティッシュ使いすぎて痛くてつらい日々を送るだけでした。
マスクしてもいいけどしなくてもだいじょうぶな感じ。目は多少痒かったのですが、夜に目薬一回使うぐらい。ただし、このシーズンは、花粉の飛散がそれほど多くなかったようです。
2回めのシーズン:
花粉の飛散量が多い年でした。
舌下免疫療法を1年続けた実力が発揮できるのか、楽しみでもありました。花粉飛散シーズンが楽しみというのもおかしいですが、効果あればモチベーションもアップ、なければダウンです。
最初のシーズンとそんなに変わらない結果です。でもそれでいいんです。飛散量が多い年でこれなら治療前と比べれば天国です。
マスクをしていないと花粉症の症状が多少でますが、目の痒さがほんのちょっとだけで、寝る前に目薬を念の為使う程度です。以前ですと、朝目覚めた時に「目やに」で目が開かない場合が頻繁にありました。
3回目のシーズン:
花粉の飛散量は普通。
花粉飛散が始まる時期に合わせてマスクを付け始めましたが、舌下免疫療法の結果が分かりづらいのでマスクを途中から外してみました。
このままでもだいじょうぶかな?たまにくしゃみが出る場合もあるけど・・・
マスクを付けていたほうが楽です。つけていれば、花粉症の症状がほぼ感じられないくらいです。目が痒くないのが最高に幸せです。このシーズン、目薬は使いませんでした。
感覚だけでなく、スギ花粉のアレルギーに対する血液検査を行えば、改善度合いが定量的にわかるのかなーって思いますが、4千円くらい費用がかかるのでやってません。
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花粉症に何時なった?症状は何が辛い?
毎年、花粉症になるのは2月中旬~4月中旬と決まっている!スギ花粉が飛散する時期とピッタリ一致しています。
ある年、花粉飛散がひどかった時を境に花粉症になりました。それまで花粉症は、大変そうだな~なんて他人事でした。
鼻水が止まらなくて、目が痒くて。繰り返すハックションで腹筋が痛くなるほどです。
一番困るのは、目の痒さ、仕事中であっても、気持ち的には家に帰って布団にもぐりたい・・・という感じ。
花粉シーズンの3月中旬に沖縄旅行に行ったことがありますが、天国でした。沖縄は、スギ花粉の飛散がないんです。北海道もいいと聞きましたが、花粉の時期はまだ寒くて観光シーズンではありませんね。
毎年2月中旬~4月中旬まで沖縄に住めたらって思います!
舌下免疫療法の流れはどんなふう?
一例として見てくださいね。病院によっては手順が違う可能性もあります。
眼科で?
耳鼻咽喉科なのかなって思っていましたが、眼科での治療でした。ちょっと不思議。「舌下免疫療法の治療は眼科ですのでそちらへお願いします」ですって。総合病院なのでたくさんの科目があったのですが、なぜ眼科?
花粉症は目もやられるから?でも眼科でラッキーでした。実は、総合病院の中で眼科は空いてたんです。内科などですと、1時間待って5分というのが普通ですが、眼科は待ってる人数が圧倒的に少ない。
治療を始められる時期があります
舌下薬治療は、花粉症になっている時期には始められないのです。
花粉症が発症している時期に花粉エキスを体に入れると、副作用が発生した場合に大変なことになってしますからです。
関東では、スギ花粉の飛散時期が2月中旬から4月中旬です。
推奨されている開始時期としては、6月~12月。私は、ギリギリの12月中旬からスタートしました。たまたまそのときに別件で病院に行き、舌下免疫療法の張り紙を見たからです。
少量から始め、徐々に増やします。
シダトレン15日以降 上:一日分 下:一週間分
最初少なく始め、2週間かけて少しづつ舌下薬を増やします。
花粉症はアレルギー反応ですので、いきなり量を増やすと副作用が発生した場合大変なことになるからです。
シダトレンの場合。
1~7日 200JAU/mLのボトルで舌の下に
1日目 1プッシュ
2日目 1プッシュ
3日目 2プッシュ
4日目 2プッシュ
5日目 3プッシュ
6日目 4プッシュ
7日目 5プッシュ
8~14日目からは、2000JAU/mLのボトルで1~7日目と同様にプッシュ数を増やしてゆきます。
15日以降は、2000JAU/mLの容器(写真の小さいチューブ)の切り取り口を切ってちゅちゅっと舌下へ服用します。
[JAU/mL]のJAUは(Japanese Allergy Units)だそうです。??
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アナフィラキシーショック?でドキドキです。
1回目の本当に最初のプッシュは、医師立会のもとで行います。
重篤なアレルギーの副作用が起きた場合に対応するためです。最悪なケースでは、アナフィラキシーと言われるショック症状が現れる場合が想定されるからだそうです。
30分ぐらい様子を見て問題ないとなったら、2日目以降は自分の家でプッシュします。
先生にそんな説明を聞いて、ドキドキしながら1回目のプッシュ(服用)を行いましたが、なんでもなかったです。
体調は毎日変化し、最初がだいじょうぶでも、2回目以降絶対に副作用が起こらないというものではないということで、万が一のときに緊急連絡するためのカードが渡されます。このカードの目的は、本人のみならず、家族の方が連絡する場合も想定されています。
なんか怖そうな感じですが、何も起きないのが普通らしいので念のためという感じでした。
そんなことで、最初の一ヶ月ぐらいは、わかりやすいよう食卓にカードを置いていた記憶があります。でも今は、どこにあるのか、家の何処かにあるはず。慣れるとこんな感じです。
舌下薬のお味は?
食レポ、表現が難しいです。
明らかな味っていうほどの感じはないんです。すこし甘いような、苦いわけではありません。味がないわけではない。
毎回違う気がします。
朝食後、歯磨きの直後に服用。
ちゅちゅっと舌の下に入れ、2分間舌下でキープ、その後、ごっくん。さらにそこから5分間は飲んだり食べたりはダメ。
舌下に服用ー>2分間舌の下で保持ー>飲込むー>5分飲食しない。
始めた頃は、舌下に違和感をかんじることがありました。舌の付け根あたりが、ぷくっとしているような?でも、その日のうちに治っている。
医師に訪ねたところ、それが普通らしいです。ひどくなったり、口内炎になったりすると、治療中止になってしまいます。
一年経ったころは、なにも感じません。体が、花粉エキスに慣れてきたんですね。
初期に断念せざるを得ない場合がある
治療を始めるにあたって、最初に医師から説明がありました。
「始めてから、途中で断念せざるを得ない場合がありますよ!」
本人が続けるつもりでも、ドクターストップになることがある。
花粉エキスによる副作用の症状がでるとダメらしいです。
- 口内炎がひどくなった場合
- 目のかゆみ、瞼(まぶた)の裏の湿疹、はれ
ですので診察は、毎回、目と下瞼の裏、口の中の状態を医師が確認します。
それでOKならば、継続できます。
担当医師の経験では10人中3人ぐらい中止になるそうです。ハードル高い!
途中から処方費用が減ったよ!
最初の増量期間(始めて2週間)を終了すると、4週間分(7x4=28)の舌下薬を処方されました。
無くなる前に病院に行き、診察(目と下瞼の裏、口の中)して問題なければ、次の4週間分が処方されます。
このペースをずーーっと続けます。
4週間なんてすぐに来てしまうんですよね。毎回診察料と舌下薬で1400円程度かかります。(保険適用後)
これが3年間続く・・・と思っていたら、1年を過ぎる手前で、8週間分処方されるようになりました。
2千円程度で8週間になり、かなりお安くなりました。
病院に行く回数も半減して助かります。
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治るまでにかかる、トータルコスト(費用)
3年計画で大ざっぱに計算してみます。とある総合病院でのケースです。
健康保険対応ですので、3割負担後の金額です。
最初のアレルギーテスト:4~5千円程度
最初の2週間だけ徐々に増量:
この期間の領収書が見つかりませんでした。3000円とします。
最初の1年間:
4週間分のシダトレンと診察料で1410円
(365-14)/28日分*1410円=17675円
残りの2年間:
1年たった頃から8週間のシダトレンと診察料で2250円
365*2/56*2250円=29330円
トタールでは
5000+3000+17675+29330=55005円となるようです。
そこそこのコストですね。
一回一回は大したことなく感じます。
3年続けるコツは?
3年は長いですね。私はあと半年です、ゴールが見えました。
いつも決まったルーチンで服用するようにしています。そうしないと忘れてしまいます。
1年365日休まず3年間継続です。モチベーションを継続しなければなりませんが、ルーチン化してしまえば、大したことありません。
朝、食後歯磨きしたら、間髪を入れず、舌下薬を服用。歯磨きとセットで考えています。
毎日のはずが、たまに忘れる!
ルーチン化していても忘れる場合があります。別なことに気を取られているなど要因は1年を通すといろいろあるんですね。
その日のうちに気づけば、そのときに服用します。
完全に忘れてしまって、次の日になったら、2回分服用してはダメ。(服用のマニュアルにも書いてあります)
一日服用しなくても、次の日から忘れなければいいのです。
なんで、舌下に花粉エキスを?
素朴な疑問ですが、なんで舌下に入れる?
どうやら調べてみると、
舌下に入れるのは、「花粉エキスがあごの下にあるリンパ節に届きやすくなるため」だそうです。舌下があごに近く、粘膜を通してエキスが取り込まれるから。
あごのリンパ節には、アレルギー反応に関係している免疫機能があるそうなんです。
でも、「仕組みは完全にわかってない」とも書いてありました。
えっ!そうなの!